May 2023アーカイブ

May 29, 2023

"自然と人間の関係性"をテーマに活動を行うアーティストを募った企画展 「Back to Nature」を6月10日より開催

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 この度WATOWA GALLERYは、LAを拠点に置くアーティスト、アレハンドロ・ロベスを中心とした、自然と人間の関係性、をテーマに制

作活動を行うアーティストを募った企画展、Back to Nature を開催いたします。本展では、それぞれ拠点の異なる作家による作品を 通して、現代社会おける人間という生き物にとっての自然とは何なのか?という問いを提示し、自然との対話を促します。

 アーティストのアレハンドロは、現代を「自然と人間が最大限に乖離した今までにない社会」とし、彼自身が自然との対話を通して制作 した作品を提示。Yosemite シリーズでは、作家自身がアメリカ / カリフォルニアのYosemite vallyの山奥に赴き、人が立ち入らないような過 酷な環境の中で制作した絵画作品群を展開。一人広大な大地に身を置き自然と向き合うことで、作家自身が仏教寺院での五行修行によって得た、最終的に何も存在しない境地 ―「無」に到達するという経験を呼び起こし、それによって得た新たな自然との新たな関係性を掲示します。

 登半島の"海ごみの山"を訪れた経験を契機に、大量消費社会が生み出した"ゴミ問題" について考えを巡らせた美術家の藤元明は、実際に能登半島のごみを素材として制作した海ごみシリーズ "LAST HOPE" を出展。2020年の当ギャラリーにおける個展にて、初めてギャラリーにて売約された作品群として知られる本シリーズは、アクセスの厳しい浜に国境を漂着し、溜まり続ける海ごみの山の直ぐ側に、藤元が道具を持ち込み溶かし固めるという工程経て制作され、素材の色をそのまま活かした鮮やかな抽象表現作品として提案されます。

 自身にとって自然は、飽きることのない象徴的なモチーフと語る原口みなみは、"記憶" や "思い出" をキーワードに、鑑賞者自身の記憶と のつながりを通して得られるプリミティブな感情との共鳴、をテーマとして制作活動を行うアーティスト。2022年度、雲丿平山荘AIRプログラムにおける滞在制作を経て制作した絵画作品群を始め、作家の特徴の一つでもある花をモチーフとした作品などを展示。出展作品のう ちのひとつ「山のまつり」は、雲ノ平で見たニッコウキスゲの群生と、春になりそれらが一気に芽吹いた美しさ、またある種の恐ろしさや 狂気が発想の起点となっており、教会で見られる祭壇画のように三連画を用いることで、自然への畏怖や神々しさを掲示します。

 WATOWA GALLERYの考える、新たな展覧会を起点とした自然との接続を、ぜひご覧ください。


About the Aritists


Alex profile.pngAlejandro M Lopez アレハンドロ・ロペス

ロサンゼルスに生まれ、アートセンター・カレッジ・オブ・デザインで学ぶ。卒業後 25 年の間アメリカを離れ、四大陸で生活し、絵を描いてきた。現在はカリフォルニアに在住。 「その旅の中で、私たちが互いに分かち合っている共通点や自然そのものに、人間の絆を見出したのです」。

彼の画家としての活動の大部分はチャリティー活動の分野で行われていました。東京、パリ、カラカス、ロサンゼルスで開催されたグループ展に参加するなど、ワールドワイドに作家活動を行っております。



WebSite:https://minamiharaguchi.com
Instagram : @AlejandroLopez https://instagram.com/amlart?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA==
Youtube : https://www.youtube.com/@aml-art



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Akira Fujimoto 藤元明

1975 年東京生まれ、東京在住、東京藝術大学デザイン科卒業。

1999 年コミュニケーションリサーチセンター FABRICA(イタリア)に在籍後、東京藝術大学大学院を修了(デザイン専攻)。東京藝術大学先端芸術表現科助手を経て、社会、環境などで起こる制御出来ない現象を社会へと問いかける展示やプロジェクトを立案・実施。様々なマテリアルやデジタル制御を組み合わせ、作品化している。

近年の主な個展に『Diastrophism- 地殻変動 -』(2022 年、六本木 蔦屋書店・BOOK GALLERY、東京)、

『A Plastic on shore海岸のプラスチック』(2021 年、サンシャインシティ、東京)、『海の近景

‒Foreground of Sea‒』(2021 年、イイナパーク川口・歴史自然資料館、埼玉)、『海ごみのあと』(2021 年、

elephant STUDIO、東京)、『Structure Slide』(2021 年、GALLERY ROOM・A、東京)など。グルー

プ展に『Proximate Horizons 近しい遠景』(2022 年、ソノ アイダ # 新有楽町、東京)、『FUTURE

MEMORY』(2021 年、コートヤード HIROO GALLERY、東京)、『ソノ アイダ #COVID-19』(2020 年、

オンライン展示)、『慰霊のエンジニアリング』(2019 年、TODA BUILDING(TOKYO 2021)、東京)、『交

伹域 Cross Domain』(2018 年、Suzhou Jinji Lake Art Museum、蘇州、中国)など。都市に生じる

時空間的な伱間を活用するアートプロジェクト「ソノ アイダ」を主宰。

HP: https://vimeo.com/akirafujimoto https://www.1future.jp https://www.tokyo2021.jp

https://sonoaida.jp

IG: @akira_fujimoto


345661287_498879275697473_4986942082961486932_n (1)(1).jpgMinami Haraguchi 原口みなみ

1990年大阪生まれ。2016年京都市立芸術大学院修士課程修了。日常にある些細なものを象徴化する作品制作を行う。表現方法は平面絵画からインスタレーションまで多岐に及ぶが、近年ではモチーフをデジタルドローイングし、切り紙でコラージュ、それを油絵にするという媒体を何度も移りかえていく表現技法をとる。主な個展に「シンボルとジャンク」福住画廊 / 大阪(2021)、「ハイ・ヌーン・カウンター」福住画廊 / 大阪(2018)、グループ展に「Diffusion of Nature 2023 土と夢」WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO(東京)、「PLAY」Yoshiaki Inoue Gallery/大阪(2022)、「台灣當代一年展」台北花博公園爭艷館 / 台湾(2019)などがある。

 

HP:minamiharaguchi.com

IG:rainbow_moci

開催概要


【タイトル】Back to Nature
【会期】6/10(土) - 6/29(木) 
【会場】elephant STUDIO 1F-2F  
【入場料】入場(ドネーションチケット) : 500円(税込)〜
* 6/24(水), 6/21(水),6/28(水)は観覧無料
*右記 URL からの事前予約制
https://artsticker.app/events/9342
*⾃⾝で⾦額を決定するドネーションシステム(ミニマム 500 円から⼊場 料を⾃⾝で決定し、それが若⼿ アーティスト⽀援のためのドネーショ ンとなるシステム。アーティスト⽀援と国内アートシーンの活性化を⽬的としたアートアワード WATOWA ART AWARD 2023 EXHIBITION に寄付されます。
【主催】WATOWA GALLERY      
イベントページ:http://www.watowa.jp/news/2023/05/back-to-nature.html  
Instagram:https://www.instagram.com/watowagallery/   
CONTACT:gallery@watowa.jp

アーティスト・トーク

開催に先駆け、 6/9(金) にアーティスト・トークを開催いたします。
<日時> 6/9(金) 17:00 ~ 17:30
<登壇者> アレハンドロ・ロペス、小松隆弘(WATOWA GALLERY) 、藤元明
※ゲスト登壇の可能性あり
※予約制。以下メールアドレスまでご連絡くださいませ
gallery@watowa.jp




May 22, 2023

"花はどこへ行った ?〜Where have all the flowers gone?" ミレイヒロキによる展示を6月5日より開催

MireyHIROKI_kv.pngのサムネイル画像この度、プロジェクト・プロダクション・コレクティブWATOWA GALLERYは、 芸術家・ミレイヒロキによる展示をWATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO にて2023年6月5日(月)から6月25日(日)まで開催いたします。

Statement


1993年よりアメリカの⻄海岸に残っていたヒッピーカルチャーを中心に、グラフ ィティ・ヒップホップカルチャーに影響を受けてグラフィティ集団KBHの唯一の 日本人として、クレヨン、アクリル、スプレー、油等の画材を使い"花"を描き始 める。
2007年、1995年ボストン在住時に構想した使い捨てビニール傘に花のペイント をして街で一⻫に開き街を花で埋め尽くす作品 「100UMBRELLAS」を渋谷スクランブル交差点でゲリラパフォーマンスを決行、 ビニール傘の使い捨て問題への問いと、"ハプニング"のアート活動を実験的に行 う。
以来、東京を中心に、京都、広島、福島、熊本など多数の街にその時に集まった ボランティアや、その場にいる人たちと、花を咲かすアートパフォーマンスを行 ってきた。
また東日本大震災の被災地、被災者の心のケアを花のペイントや、2015年から 2018年にかけて、広島原爆ドーム前での追悼パフォーマンス、インスタレーショ ンなど、日本が持つ戦争や震災といった破壊のあった歴史的場所で"花"を咲かせ ていくという活動がいつしかミレイヒロキのヒップホップ、ストリートのバック ボーンから来ている、立ち上がる精神、強く美しく生きてゆく姿勢とリンクして 人々に影響を与えているのではないだろうか?
"花"という一般的かつ普遍的なモチーフはプリミティブな人間のシンプルな思考 として、美しさ、儚さ、強さ、弱さなど、さまざまな感情に訴えかける。 ミレイヒロキは、"花"を媒介として、LAの貧富の差のあるカルチャーの中で、彼 らが生き抜いてきたアメリカでの仲間との時間や生きざま、ストリートから得てきた精神を共有しているのだろう。
"強く美しく生きる"
アーティストのクリストが世界のさまざまな場所を"梱包"するシリーズにあるように、本人もランドアートと言われることに疑問を持ち、そもそも何がアートなのか?芸術性とは?の議論のきっかけ自体を生み出している。
ミレイヒロキは国内で「花の傘」のインスタレーションは話題にはなったが、日本のアート業界からは"アート?アートではない?"と話されて いた。 2010年にクリストが来日した際、直接会いに行き"花の作品"を見せクリストと話をした。返って来た言葉はとてもシンプルで気持ちを後押しさ れたと語る。" You are ARTIST "
その事が今も花を描き続ける事へ少なからず影響を与えている。 その瞬間に開いた"花"はいったいどこへ行った? そもそも、その"花"とはなんだったのか?
ミレイヒロキは"花"が行きたいところについていったような感覚だ、と語るが、それは地域や社会、そこにいる人が"それ"を求めていたのかも しれない。シンプルな花の絵の奥に、何か物悲しくも、強い意志のような感覚を感じずにはいられない。写真では伝わらない、彼らの活動の軌跡を目の当たりにしていただきたい。


WATOWA GALLERY 代表 小松隆宏

ミレイヒロキよりメッセージ


今回の個展に向けて制作した100号8点からなる連作シリーズは「花と死には類似点がある」という言葉にインスピレーションを得て作 品を制作。 花が持つ生と死の関連性や生命力を表すことに着目し、自分たちの中にある花を描く衝動や動機を探求、生き続ける花と枯れていく花の 相対性を描いた。手法は90年代にLAやNYのアンダーグラウンドで活動していたグラフィティアーティストやミレイヒロキもメンバーで あるLAを拠点に活動するアーティスト集団KBHとの関わりの中で実際に体現したスプレーペインティングから引用。色のしぶきのコント ロールと体感を組み合わせることで、キャンバス上に強いタギング※要素を作り出しコロナやロシアのウクライナ進攻など、現代におけ る絶望的な状況の中でも自分たちの魂の衝動を制作にぶつける価値観を追及した。
生き続ける花と枯れていく花の相対性とは、花が生命力あふれる存在でありながら、同時に儚くて一瞬一瞬が貴重な存在であるというこ とを表している。花は色鮮やかで美しく、私たちに様々な感情や思い出をもたらすが、同時に枯れていく過程も見守ることができる。作 品では、生き続ける花と枯れていく花の対比として生命力溢れる力強い花を描いているが、徐々に枯れていく終わりの始まりを花びらか ら落ちていく色で表現している。
描く花は花瓶に飾られる花ではなく、大地に咲く花をイメージしてキャンバスの下から上へ大胆に描く。それは自然の美しさや生命力を 讃え、その力強さを表現したいという思いからです。
 ※タギング(tagging)とは街のあちこちに見られる個人や集団のマーク(目印)とされるものを描いて回る行為。

批評文


ミレイヒロキは2人の人間でありながら、1人の芸術家として活動してきた。その2人の人間は、それぞれ、あるいは共に、1980年代以降、 アメリカ各地を中心にして、(特殊)メイク、フィルム、ファッション、ストリート(ヒッピー)・カルチャーなどを領域域横断的に摂 取してきた。ミレイヒロキの芸術実践は、それゆえ、「二人それぞれが数人だったのだから、それだけでもう多数」(ジル・ドゥルーズ +フェリックス・ガタリ『千のプラトー──資本主義と分裂症』)であるような幅広さと奥行きが備わっている。ミレイヒロキは一貫して「花」をモチーフとして作品を制作し続けている。資金が底をついて唯一手元に残ったクレパスを使って、1枚 のわら半紙に2人で描いた花は、キャンバスの外へと出て、さらには美術館やギャラリーの外へと出た。公共空間を通じて国内外に広が ってきた花々は、作者の手を離れたあとでさえ、あたかも自律した生命体のように増殖を止めることはない。本展では、コロナ禍やウク ライナ侵攻などを経て、ミレイヒロキの花々が照らし出す現代の様相が示されるだろう。

文化研究者 山本 浩貴

Artist's profile


アーティスト写真(1).jpgミレイヒロキ
ミレイヒロキは2人の人間でありながら1人の芸術家として活動。 近年ではSHARE FLOWERSを立ち上げ「環境・心」などをテーマに作 品を制作。 これまでにミッキーマウス生誕75周年、90周年の為の絵画制作、イサム ノグチ「AKARI」とのコラボレーション。 2007年からは表参道ヒルズ・渋谷交差点・京都鴨川・赤坂サカス・大坂 梅田、 椿山荘庭園、広島旧日本銀行、広島原爆ドーム前など日本各地をキャン バスに大規模な作品を発表。 新聞、報道など社会面で数多く取り上げられる。ビニール傘の使い捨て 問題を国内に広げ報道写真展に記事が選出される。 2010年はNYのセントラルパークで開催された日米親善交流イベント 「JAPAN DAY」公式アーティストとして全てのビジュアルアートを担 当。 デザインしたT-シャツがチャリティー販売され4本の桜の木が親善の証 としてNY在総領事館よりセントラルパークに植樹される。 2011年以降は総合的なアートプロデュースを各地で展開する。 東日本大震災へのアート活動がNHK「花は咲く」でドキュメンタリー として国際放送含め放送される。 またNHK「美の壺」にも作品が取り上げられる。 被爆70年をむかえた2015年NHK広島を5~8月と総合演出。 2017年には年間を通して総合演出した作品が「DSA日本空間デザイン 銀賞獲得」 2019年10月環境フェスティバル福岡総合演出、12月東京都神代植物 公園にてインスタレーション作品設置。 2020年は環境庁のプロジェクトで各地へ視察、アートを通して新たな発 見、可能性を探る。 東日本大震災、熊本地震、水害被害などを受けた地域への継続的な活動 支援は現在も続けられている。 「アートの力」で全国に花を咲かせているアーティスト。
WebSite:https://www.share-flower.com/ Instagram:https://www.instagram.com/artist_mireyhiroki/

出展作品例

スクリーンショット 2023-05-22 19.36.31.png活動例
スクリーンショット 2023-05-22 19.36.36.png


開催概要


会 期:2023年6月5日(月)〜 6月25日(日)12:00 - 19:00 ※木曜定休
会 場:WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO(東京都台東区今戶1丁目2-10 3F)
入場料 :ドネーションチケット 500円(税込)〜
※6/7(水)、6/14(水)、6/21(水)は観覧無料
※自身で金額を決定するドネーションシステム(ミニマム 500 円から入場 料を自身で決定し、それが若手アーティスト支援のためのドネーションとなるシステム。
アーティスト支援と国内アートシーンの活性化を目的としたアートアワード WATOWA ART AWARD 2023 EXHIBITION に寄付されます。) ※観覧にはご予約が必要です
こちらのURLよりご予約をお願いいたします:https://artsticker.app/events/7394
イベントページ: http://www.watowa.jp/news/2023/05/-where-have-all-the-flowers-gone-65.html
Instagram:@watowagallery
CONTACT: gallery@watowa.jp


    




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