August 30, 2023

上田尚宏個展「それはこれ、」が WATOWA GALLERY にて9月10日より開催

この度、アートプロジェクト・コレクティブ WATOWA GALLERY は、新たな「物質と人間」の表現を提示する、新進作家・上田尚宏の個展「それはこれ、」を2023年9月10日(日)から9月19日(火)まで開催いたします。

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主催者より


上田尚宏は、東京藝術大学大学院で高山登氏に師事しました。大学院修了後、2011年に渡独。日本のもの派や近現代のドイツミニマリズムに大きな影響を受けています。彼は主に時間や空間、物理的な環境変化についての考察から現代社会の課題を提起し、領域横断を意識した制作活動を実践してきました。本展覧会では、2019年に帰国した後の初の個展として、これまでの日本とヨーロッパでの制作活動が凝縮された新作の一部をご覧いただけます。

本展「それはこれ、」は、物質自体の本質的な自己否定、または物質がメディアとして環境との相互作用を示すアンチ・テーゼを明示しています。言い換えれば、観察者と周囲の環境との相互作用によって流動する「人間と物質」という関係性が、むしろそれぞれの個々の自己否定を浮き彫りにしています。こうした視点から、「それはこれ」が「これはそれ」となり得るのか、という問いも投げかけられます。
上田の創作は、もの派とミニマリズムを融合させ、一貫性を保ちながら新たな表現を生み出しています。彼によると、物質の本質的な追求は、ある意味で物質とその環境との限界的な関係性を映し出す表現であると言えます。

現在、情報化をもたらす非物質空間の肥大によって、我々がどのように「ミクロ」から「マクロ」までの物質を捉えるべきか、依然として未解決の課題となっています。本展では、現代の錬金術師である上田尚宏が、新たな物質と環境の関係性をもたらす魔法の扉を開いてくれます。


作家プロフィール


上田尚宏_作家写真.jpg 上田 尚宏|Takahiro Ueda

2010年、東京藝術大学先端芸術表現修了。2011年より文化庁新進芸術家海外研修制度、吉野石膏美術振興財団、DAAD(ドイツ学術交流会)からの助成を受け渡独。2019年に帰国後は東京を拠点に活動している。 主な展覧会に、The Still Point -まわる世界の静止点(kudan house, 東京, 2021)、SCAI 30th Anniversary Exhibition 「アースライト―SFによる抽象の試み」(駒込倉庫, 東京, 2019)、Temporal Measures(white rainbow, ロンドン, 2014)、Land Politics (Valletta Contemporary, マルタ, 2019)、Betwixt and Between(Galerie Tore Suessbier, ベルリン, 2013)、第14回岡本太郎現代芸術賞(川崎市岡本太郎美術館, 神奈川, 2011)など。

HP: https://takahiroueda.com

IG: https://www.instagram.com/tkhrd__/ (@ tkhrd__)

(Photo by Shingo Kanagawa)


作家ステートメント


ぼんやり眺めていると微妙な違いが浮かび上がって見えてくる、
もしくは最初から違いがはっきりと一瞥できる。
私たちの網膜は微細な違いを感受できるほど、精度が高い。
しかし精密に同じ設計を施されたロボットではないので、
目に映る景色は、実に人の数だけ存在する。
そう考えると、私の目が捉えるこの"違い"は、
本当に"違い"としてあるのだろうか。
誰かにとっては"同じ"になり得てしまうのだろうか。
網膜が受け取るビジョンを厳密に他者と共有するための方法を、
私たちは知らない。

製造や流通の問題により差が生じているにも関わらず、
便宜上、同じ名前が付けられた工業製品を並べてみる。
隣り合うそれらを「違う」と言えばいいのか、
はたまた「同じ」と言えばいいのか。
もうこうなれば、それはこれ、これはそれ。

上田 尚宏


開催概要


タイトル:「それはこれ、」
会  期:2023年9月10日(日)~ 9月19日(火)12:00 - 19:00
     ※ 9月13日(水)、 9月14日(木)定休日
主  催:WATOWA GALLERY
会  場:elephant STUDIO (東京都渋谷区渋谷2-7-4 1F) 
入  場:無料
イベントページ:http://www.watowa.jp/news/2023/08/Is-this-it?.html
HP:http://watowagallery.com
Instagram:@watowagallery
CONTACT: gallery@watowa.jp (メールのみ)

WATOWA ART AWARD 2023 追加審査員2名を発表!

審査員には先行して発表された12名に加え、KANA KAWANISHI Gallery 河西 香奈、アーティスト 高橋 理子 が決定しました。


審査員 13
河西 香奈

KANA KAWANISHI GALLERY代表

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■ Profile
幼少期をロンドンで過ごした後、フォーダム大学(NY)へ学部交換留学、日本女子大学家政学部被服学科西洋服飾史研究室卒業。
2006年より洋書編集に携わり、近年担当した書籍に「ANREALAGE: A&Z」(2021年秋・Rizzoli刊) など。
アーティストマネジメント/編集事務所、展覧会企画財団を経て、2014年にKANA KAWANISHI ART OFFICE設立、2015年にKANA KAWANISHI GALLERY設立。
2022年より日比谷OKUROJIアートフェア/フォトフェアのオーガナイザーを務める。
Artnet(米国)より「7 power players transforming tokyo art market」に選出される(2022年)。

IG:
@kanakawanishigallery
@kanakawanishi


審査員 14
高橋 理子

アーティスト /博士 /武蔵野美術大学教授

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■ Profile
東京藝術大学で染織を中心に伝統工芸を学ぶ。2006年、株式会社ヒロコレッジ(現・ 高橋理子株式会社)設立。 2008年、東京藝術大学大学院博士後期課程を修了し、博士号(美術)を取得。着物を表現媒体としたアートワ ークのほか、自身のブランドHIROCOLEDGEで日本各地の職人とものづくりを行う。九重部屋や黄金湯などのブランディング、adidasとのグローバルコラボレーション、 東京五輪ゴルフ米国代表公式ユニフォームなど、国内外のプロジェクトも数多く手がける。2024年4月には、イケアとのグローバルコラボレーションローンチが控える。2019年、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館に作品が永久収蔵。2021年、武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科教授就任。

IG:
@takahashihirokoofficial


下記より詳細をご確認の上、ふるってご応募ください。多くの方のご参加をお待ちしております。

↓↓↓↓

http://www.watowa.jp/news/2023/02/watowa-art-award-2023.html

August 3, 2023

KASEKI POP 2023〜SUMMER TIME〜 / TOKYO POP by KASEKI CIDER

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この度 WATOWA GALLERY は、作家かせきさいだぁによる個展KASEKI POP 2023〜SUMMER TIME〜並びに、グループ展TOKYO POP by KASEKI CIDERを、elephant STUDIOにて2023年8月19日(土)から9月3日(日)まで開催いたします。

Statement


かせきさいだぁのポップアート

― 作品に耳を澄ませれば、時代の音が聞こえてくるる                         

かせきさいだぁは日本を代表するヒップホップアーティストであり、あるときは漫画家、文筆家、そして現代アーティストといくつもの多彩な顔を持つ。彼の描く作品は、すっきりと無駄のない構図や透明感のある素直な色調が印象的で、まるで軽快なシティポップを聴いているような心地よさがある。

代表的な名画シリーズでは、モナリザやゴッホのひまわり、モネの水連といった誰もが知る名画を、かせきさいだぁらしいミニマルで可愛らしい姿に描き直している。かせきさいだぁ流に言えば "名画のサンプリング" だ。既存の音源の一部を引用して再構築するヒップホップにおけるサンプリングと、名画を記号的に引用する表現手法には通じるものがある。そこには名画へのリスペクトや親しみ、愛着があり、そうした気持ちを他者と分け合いたいという高い共感性がある。好きなものを友達とシェアしたいという気持ちや、現実世界の煩雑さに抵抗するように軽さや明るさや可愛らしさを求める今の時代のムードは、かせきさいだぁの世界観と驚くほどマッチしている。コンセプトの壁を超えるためにインテリジェンスで武装しないと到達できないのがいわゆる現代アートの姿だとするなら、かせきさいだぁのアートは誰にとっても親しみやすく居心地がいい。誰も撥ねつけない大らかな作風は、いつまでも眺めていたくなる幸福感に繋がっている。

しかし、彼の持ち味はそうしたポップさや親しみやすさだけではない。一見、CGのように滑らかで正確無比に見える作品を間近で見ると、手描き独特の線のゆがみや色の塗り重ねの跡があり、彼が正真正銘の絵描きなのだということがよくわかる。手で描くことでしか成しえない人間的なゆらぎは、モチーフに生命力を与え、作品に時間の流れを生む。そうして堆積していった膨大な情報量はある種の難しさでもあるのだが、「人間は情報量の多さこそを面白さと捉える」ということをかせきさいだぁは熟知している。

ミュージシャンとして活動するより以前、彼はゲーム会社のグラフィック担当として、ゲームのキャラクターや背景を制作していたのだという。フェルメールの《真珠の耳飾りの少女》の瞳がパックマンを象った作品があるが、ゲームクリエーターのキャリアが分かるとその遊び心にも納得だ。使える色数も少ない黎明期のゲームグラフィックの世界にいたからこそ、手描きの良さや画面に込められた情報量が人間に与える影響を深く理解している。長く画面を見続けたいという欲求は、人間が対象を面白いと感じる感覚とリンクしているのだから。分かりやすさと複雑さの絶妙なバランスこそが、見る者の心をひきつけてやまないかせきさいだぁの作品の魅力になっている。

沓名美和

Artists profile


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かせきさいだぁ

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1995年、1st アルバム『かせきさいだぁ』でデビュー。現在までオリジナル・アルバムを6枚リリース 。ポップ・ミュージックの歌詞を引用したラップで注目を集め、今日では日本のヒップホップ界で強い影響力のあるミュージシャンの一人として知られているミュージシャン、ラッパーとして活動する一方、イラストレーター・漫画家・文筆家・作詞家とジャンルを問わず幅広く活躍するその姿はまさにヒップホップ・ アーティスト。アクリルやマーカーを用い 、シルバーの背景、ポップな作風が徴の作品を手がけている。絵画作品では、歴史的名作をオマージュした「名画シリーズ」が近年注目を集めている。

2021年よりWATOWA GALLERYの所属作家としてARTIST活動を精力的に開始し、同年9月には初めての大規模な個展「かせき POP!」を開催し話題になる。

 

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ⓒガジェット通信

望月ミネタロウ

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神奈川県横浜生まれ。'84年講談社ちばてつや賞優秀新人賞を受賞し、'85年「ヤングマガジン」で『バタアシ金魚』で連載デビュー。主な作品に『バイクメ~ン』『お茶の間』『座敷女』『鮫肌男と桃尻女』『ドラゴンヘッド』『万祝』『東京怪童』『ちいさこべえ』『犬ヶ島』『没有漫画、没有人生』などがある。

『ドラゴンヘッド』で第21回(1997年)講談社漫画賞、第4回(2000年)手塚治虫文化賞マンガ優秀賞受賞。『ちいさこべえ』で第17回(2013年) 文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞、France BD Critics Association (ACBD) "2016 Best Asia BD" award、アングレーム国際漫画祭シリーズ賞受賞(2017年)。

 

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白根ゆたんぽ

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1968年埼玉生まれ。東京在住。イラストレーターとして広告やWebコンテンツ、企業コラボなど多くの仕事に携わる。最近ではDAISO50周年記念47都道府県トートバッグへのイラスト提供、東急歌舞伎町タワー LIFE STYLE HOTEL EVAへの作品提供など。クライアントワークの他、年に数回の個展、企画展や海外でのアートフェア、グループ展への参加も行う。

instagram: @yuroom

July 11, 2023

テクノロジーはユートピアになれるのか?「Artificial Reality ー 嘘をつくホンモノ」をWATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO (浅草) にて7月22日(土)より開催

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この度、アートプロジェクト・コレクティブ WATOWA GALLERY は、今日のポスト·インターネット社会におけるデジタル技術に関する「人間性」の問題に焦点を当て、現代における人間の多様な存在のあり方をアートにより可視化する企画展「Artificial Realityー嘘をつくホンモノ」を WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO にて2023年7月22日(土)から8月6日(日)まで開催いたします。

 

Statement


人間は知恵を持ち始めて以降、文化や技術の進歩とともに、常に進化してきました。

そして私たちとテクノロジーの出会いは、新しい発見に触れる楽しみと未知をもたらす不安が交差しています。昨今のデジタル・テクノロジーに覆われた現代社会においては、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)を代表とする大手IT企業が便利で豊かな世界の表象を構築しています。

そして、この社会におけるあらゆる問題の背後にはテクノロジーの影が見え隠れしています。特に最近公開されたChatGPTをはじめとするAIソフトは、多くの分野で人間の代わりを果たす傾向があり、人間としての我々はこれからどこへ行くのかが急速に問われています。私たちのテクノロジーへの信仰と熱意が、本当に美しいユートピアを築くことにつながるのでしょうか。

本展示は4人のアーティストによる写真、映像、インスタレーション作品で構成されるテクノロジー・ユートピアへの問いが投げかけられています。やんツーは先端テクノロジーが持ちうる公共性や政治性を考察しながら、西洋合理主義を基に成立された「知」の本質の再考察をテーマとした作品を展示し、他の作家たちもポスト・インターネット上で人間活動の表象の提示や監視カメラによるコントロール現象などの問題を提起します。

これらの作品を通じて、テクノロジーによって加速した社会における私たち自身のアイデンティティや「人間」としての存在のあり方を考えるきっかけとして、また、既存の認識を超えた物事との付き合い方を見出し、これからを創る人々に、テクノロジーと人間の新たな関係性を築くヒントとなることを目指します。

WATOWA GALLERY 代表 小松 隆宏

 

About the Aritists


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平瀬ミキ Miki Hirase

武蔵野美術大学美術学部彫刻学科卒業、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]メディア表現専攻修了。主な展示に「第14回恵比寿映像祭」(2022年)、「差異の目」(2019年)、「エマージェンシーズ! 036《Translucent Objects》」(2018年)など。「第25回 文化庁メディア芸術祭」新人賞、「やまなしメディア芸術アワード」Y-GOLD(最優秀賞)受賞。

デジタルデバイス上での情報を見る行為に素材の特性を組み合わせることで、情報の残存性や人の見ようとする力にアプローチする作品を制作する。

 

WebSitehttp://mikihirase.x0.com/

2021_ABCGS_square.jpegやんツー yang02

1984年、神奈川県生まれ。美術家。セグウェイが作品鑑賞する空間や、機械学習システムを用いたドローイングマシンなど、今日的なテクノロジーを導入した既成の動的製品、あるいは既存の情報システムに介入し、それらを転用/誤用する形で組み合わせ作品を構築する。菅野創との共同作品が文化庁メディア芸術祭アート部門にて第15回で新人賞(2012)、同じく第21回で優秀賞(2018)を受賞。2013年、新進芸術家海外研修制度でバルセロナとベルリンに滞在。近年の主な展覧会に、「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館、東京)、「遠い誰か、ことのありか」(SCARTS、札幌)など。和田ながら演出による演劇作品の舞台美術や、contact Gonzoとのパフォーマンス作品など、コラボレーションも多く手掛けている。 

 

WebSite:http://yang02.com

Instagram:@yang02(https://www.instagram.com/yang02/

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羊喘兒 SHINKA

東京と上海を拠点とした活動しているメディア・アーティスト

2018年多摩美術⼤学⼤学院情報デザインメディアアート専攻修了、2022年同校美術研究科博⼠後期課程修了、博⼠号取得。

様々なデジタル・メソッドを使い、消費主義の分脈における、現実である巨⼤な⼈造物は、どのように計算、⽣成、配置されるのかをテーマに創作活動を⾏い、リアリティの虚構性を捕捉する。作品は、3331千代⽥アートセンター、YCC横浜創造センター、東京科学未来館、鳳甲美術館(台湾)、原美術館(重慶)、成都時代美術館、上海当代芸術博物館などにて展⽰された。⼤京都Re: Researchアーティスト・イン・レジデンシープロジェクト(2020、2021)、ATAMI ART GRANT 2023に参加。

 

WebSite:https://yaaaaaawn.com/

Instagram:@yaaaaawn_(https://www.instagram.com/yaaaaawn_/

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林煜涵 Lin Yuhan

1996年中国福建省生まれ、2018年清華大学美術学部卒業、2022年東京芸術大学先端芸術表現科卒業。その後アーティス トとして活動を始める。 

「主に写真メディアによって作品を作っている。画像生成のロジック自体が「写真の本質」であると信じ、特にリアリティ、見ること、写真であることの本質性について、興味を抱いている。視覚情報を用いて、いかに大衆の関心を一定の方向に向かわせるかということが、私の制作の大きな動機となった。」 

 

WebSite:https://www.linyuhan.work/850nm/

Instagram:@ linyh14( https://www.instagram.com/linyh14/

 

DETAIL 


会期:2023年7月22日(土) 〜 8月6日(日) 12:00-19:00 ※木曜定休

会場:WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO(東京都台東区今戸1丁目2-10 3F)

主催:WATOWA GALLERY(WATOWA INC.)

協力:rin art association

入場料 : ドネーション500円 〜

*7/26 ( 水 )、8/2 ( 水 ) は観覧無料

*右記 URL からの事前予約制 https://artsticker.app/events/11686

*⾃⾝で⾦額を決定するドネーションシステム(ミニマム500円から⼊場料を⾃⾝で決定し、それが若⼿アーティスト⽀援のためのドネーションとなるシステム。アーティスト⽀援と国内アートシーンの活性化を⽬的としたアートアワード WATOWA ART AWARD 2023 EXHIBITION に寄付されます。

 

イベントページ:http://www.watowa.jp/news/2023/07/ArtificialReality.html

HP: http://watowagallery.com

Instagram: @watowagallery

CONTACT: gallery@watowa.jp

 

 

June 11, 2023

目は真実を知ってる? 「LAYERED ー 網膜に生まれるイリュージョン」がWATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO (浅草) にて7月1日より開催

表示LAYERED_KV.pngこの度、アートプロジェクト・コレクティブWATOWA GALLERYは、12名の新進気鋭のアーティストによりGroup Show "LAYEREDー網膜に生まれるイリュージョン"を2023年7月1日(土)から7月16日(日)まで開催いたします。

 

Statement


網膜は、私たちが世界を知覚するための窓口ですが、人間の目は時折、現実と幻想の狭間で錯覚を引き起こすことがあります。本展覧会は、12名の新進気鋭の作家による平面と立体作品で構成され、網膜上で生じるイリュージョンについて探求します。

 

目を閉じれば、網膜は目のレイヤーと言えるでしょうか。人間の網膜に映るイメージの重層性(LAYERED)は、虚と実の境界を揺れ動く感覚を生み出します。このレイヤー的な表象は、人々の好奇心を引きつけ、同時に不安と矛盾が渦巻いています。

1960年代、ギー·ドゥボールは「スペクタクルの社会」という概念を提唱しました。それはマスメディアの発展に伴い、資本主義が消費社会へと変容し、人々の生活がすべてメディアによって生み出された表象に基づいていることを指しています。真実性を欠いたこれらの表象は、人間の知覚に影響を与え、個人的思考思考の障壁となります。

現在私たちが置かれている、「情報化社会」においても、スペクタクルの社会は継続しているのでしょうか。特に資本主義のゲームに巻き込まれた私たちは、目に映る情報の表象をどのように意味付けすべきでしょうか。


本展では、作家は個々の創作を通じて、レイヤー的な「イリュージョン」の感じ方を提示しています。

出展作品はミニマル的な表現により、限られた純粋な点線面の組み合わせで抽象的な表現を行うキャンバスを通じて、平面を超えた3次元以上の可能性を探求します。膨大な情報に囲まれた人々に、「必要最小限」や「Less is More」という概念の具象化して提示してくれます。また、作家自身の体験をもとに、資本主義のゲームにおける虚と実を示唆しています。

本展覧会はこれらのイリュージョンを通じて、現実と幻想の間にある現代社会の一端を映し出しています。


WATOWA GALLERY 代表 小松 隆宏

DETAIL


タイトル: LAYERED ー 網膜に生まれるイリュージョン
会期: 2023年7月1日(土) 〜 7月16日(日) 12:00-19:00 ※木曜定休

会場: WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO 東京都台東区今戸1丁目2-10 3F

主催: WATOWA GALLERY (WATOWA INC.)

協力: KOTARO NUKAGA, EUKARYOTE

入場料:ドネーション 500円 〜

*7/5 ( 水 )、7/12 ( 水 ) は観覧無料

*右記 URL からの事前予約制 https://artsticker.app/events/10069
*⾃⾝で⾦額を決定するドネーションシステム(ミニマム 500 円から⼊場 料を⾃⾝で決定し、それが若⼿アーティスト⽀援のためのドネーショ ンとなるシステム。アーティスト⽀援と国内アートシーンの活性化を⽬的としたアートアワード WATOWA ART AWARD 2023 EXHIBITION に寄付されます。

 

イベントページ: http://www.watowa.jp/news/2023/06/LAYERED.html 

HP: http://watowagallery.com

Instagram: @watowagallery

CONTACT: gallery@watowa.jp

出展作家/代表作品(五十音順)


井上 七海 Nanami Inoue 

上田 尚宏 Takahiro Ueda 

近藤 洋平 Yohei Kondo  

澤田 明子 Akiko Sawada  

品川 はるな Haruna Shinagawa  

NANDE(南出直之)

西村 祐美 Yumi Nishimura 

平子 暖  Hirako Dan 

星 飛鳥 Asuka Hoshi 

松岡 柚歩 Yuzuho Matsuoka

御村 紗也 Saya Mimura 

横村 葵 Aoi Yokomura 

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WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO とは


WATOWA GALLERYは、現代日本のストリートカルチャーやファッション、独創的・先進的なテクノロジーや「ジャパニーズ・フィロソフィー」を取り入れた新しい感性を持つ若手の作家を中心として、アート・コミュニケーションの場を提供するアートプロジェクト/プロデュース集団です。アートが ファッションのように親しみやすいカルチャーとなり、ひとりひとりのライフスタイルに溶け込む社会を拓くため、新しい感覚のエキシビションや、ア ートプロジェクトのプロデュース・演出を行い、アートに触れるタッチポイントを拡大します。

現在も国内外で評価されている主要なアートムーブメントの多くは、ミュージアムの外で、そして多様なジャンルのアーティストと支援者との交流によって生まれています。わたしたちは特定のアートスペースを持たず、あらゆる空間をギャラリーと捉え、アートをミュージアムからコミュニティへ、都市へ、住空間へ開放し、ミュージアムの外からさまざまな分野のプロフェッショナルと横断的なアートプロジェクトを発信していきます。さらに、日本の若手アーティストの活躍と日本の若手コレクターの参入をサポートし、アーティストと支援者の交流を促進します。

WATOWA GALLERYを媒介とした新しいコミュニケーションやコミュニティの育成によって、次の時代のアートシーンを創造し、市場の活性化を目指します。2019年より特定の場所を持たないプロデュース集団としての活動をしておりましたが、2022年9月より、初のWATOWA GALLERYの本拠地となる WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO を浅草・今戸にローンチ。




 

 

 

 



 

May 29, 2023

"自然と人間の関係性"をテーマに活動を行うアーティストを募った企画展 「Back to Nature」を6月10日より開催

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 この度WATOWA GALLERYは、LAを拠点に置くアーティスト、アレハンドロ・ロベスを中心とした、自然と人間の関係性、をテーマに制

作活動を行うアーティストを募った企画展、Back to Nature を開催いたします。本展では、それぞれ拠点の異なる作家による作品を 通して、現代社会おける人間という生き物にとっての自然とは何なのか?という問いを提示し、自然との対話を促します。

 アーティストのアレハンドロは、現代を「自然と人間が最大限に乖離した今までにない社会」とし、彼自身が自然との対話を通して制作 した作品を提示。Yosemite シリーズでは、作家自身がアメリカ / カリフォルニアのYosemite vallyの山奥に赴き、人が立ち入らないような過 酷な環境の中で制作した絵画作品群を展開。一人広大な大地に身を置き自然と向き合うことで、作家自身が仏教寺院での五行修行によって得た、最終的に何も存在しない境地 ―「無」に到達するという経験を呼び起こし、それによって得た新たな自然との新たな関係性を掲示します。

 登半島の"海ごみの山"を訪れた経験を契機に、大量消費社会が生み出した"ゴミ問題" について考えを巡らせた美術家の藤元明は、実際に能登半島のごみを素材として制作した海ごみシリーズ "LAST HOPE" を出展。2020年の当ギャラリーにおける個展にて、初めてギャラリーにて売約された作品群として知られる本シリーズは、アクセスの厳しい浜に国境を漂着し、溜まり続ける海ごみの山の直ぐ側に、藤元が道具を持ち込み溶かし固めるという工程経て制作され、素材の色をそのまま活かした鮮やかな抽象表現作品として提案されます。

 自身にとって自然は、飽きることのない象徴的なモチーフと語る原口みなみは、"記憶" や "思い出" をキーワードに、鑑賞者自身の記憶と のつながりを通して得られるプリミティブな感情との共鳴、をテーマとして制作活動を行うアーティスト。2022年度、雲丿平山荘AIRプログラムにおける滞在制作を経て制作した絵画作品群を始め、作家の特徴の一つでもある花をモチーフとした作品などを展示。出展作品のう ちのひとつ「山のまつり」は、雲ノ平で見たニッコウキスゲの群生と、春になりそれらが一気に芽吹いた美しさ、またある種の恐ろしさや 狂気が発想の起点となっており、教会で見られる祭壇画のように三連画を用いることで、自然への畏怖や神々しさを掲示します。

 WATOWA GALLERYの考える、新たな展覧会を起点とした自然との接続を、ぜひご覧ください。


About the Aritists


Alex profile.pngAlejandro M Lopez アレハンドロ・ロペス

ロサンゼルスに生まれ、アートセンター・カレッジ・オブ・デザインで学ぶ。卒業後 25 年の間アメリカを離れ、四大陸で生活し、絵を描いてきた。現在はカリフォルニアに在住。 「その旅の中で、私たちが互いに分かち合っている共通点や自然そのものに、人間の絆を見出したのです」。

彼の画家としての活動の大部分はチャリティー活動の分野で行われていました。東京、パリ、カラカス、ロサンゼルスで開催されたグループ展に参加するなど、ワールドワイドに作家活動を行っております。



WebSite:https://minamiharaguchi.com
Instagram : @AlejandroLopez https://instagram.com/amlart?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA==
Youtube : https://www.youtube.com/@aml-art



藤本明Akira Fujimoto (1)(3)(1).jpg

Akira Fujimoto 藤元明

1975 年東京生まれ、東京在住、東京藝術大学デザイン科卒業。

1999 年コミュニケーションリサーチセンター FABRICA(イタリア)に在籍後、東京藝術大学大学院を修了(デザイン専攻)。東京藝術大学先端芸術表現科助手を経て、社会、環境などで起こる制御出来ない現象を社会へと問いかける展示やプロジェクトを立案・実施。様々なマテリアルやデジタル制御を組み合わせ、作品化している。

近年の主な個展に『Diastrophism- 地殻変動 -』(2022 年、六本木 蔦屋書店・BOOK GALLERY、東京)、

『A Plastic on shore海岸のプラスチック』(2021 年、サンシャインシティ、東京)、『海の近景

‒Foreground of Sea‒』(2021 年、イイナパーク川口・歴史自然資料館、埼玉)、『海ごみのあと』(2021 年、

elephant STUDIO、東京)、『Structure Slide』(2021 年、GALLERY ROOM・A、東京)など。グルー

プ展に『Proximate Horizons 近しい遠景』(2022 年、ソノ アイダ # 新有楽町、東京)、『FUTURE

MEMORY』(2021 年、コートヤード HIROO GALLERY、東京)、『ソノ アイダ #COVID-19』(2020 年、

オンライン展示)、『慰霊のエンジニアリング』(2019 年、TODA BUILDING(TOKYO 2021)、東京)、『交

伹域 Cross Domain』(2018 年、Suzhou Jinji Lake Art Museum、蘇州、中国)など。都市に生じる

時空間的な伱間を活用するアートプロジェクト「ソノ アイダ」を主宰。

HP: https://vimeo.com/akirafujimoto https://www.1future.jp https://www.tokyo2021.jp

https://sonoaida.jp

IG: @akira_fujimoto


345661287_498879275697473_4986942082961486932_n (1)(1).jpgMinami Haraguchi 原口みなみ

1990年大阪生まれ。2016年京都市立芸術大学院修士課程修了。日常にある些細なものを象徴化する作品制作を行う。表現方法は平面絵画からインスタレーションまで多岐に及ぶが、近年ではモチーフをデジタルドローイングし、切り紙でコラージュ、それを油絵にするという媒体を何度も移りかえていく表現技法をとる。主な個展に「シンボルとジャンク」福住画廊 / 大阪(2021)、「ハイ・ヌーン・カウンター」福住画廊 / 大阪(2018)、グループ展に「Diffusion of Nature 2023 土と夢」WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO(東京)、「PLAY」Yoshiaki Inoue Gallery/大阪(2022)、「台灣當代一年展」台北花博公園爭艷館 / 台湾(2019)などがある。

 

HP:minamiharaguchi.com

IG:rainbow_moci

開催概要


【タイトル】Back to Nature
【会期】6/10(土) - 6/29(木) 
【会場】elephant STUDIO 1F-2F  
【入場料】入場(ドネーションチケット) : 500円(税込)〜
* 6/24(水), 6/21(水),6/28(水)は観覧無料
*右記 URL からの事前予約制
https://artsticker.app/events/9342
*⾃⾝で⾦額を決定するドネーションシステム(ミニマム 500 円から⼊場 料を⾃⾝で決定し、それが若⼿ アーティスト⽀援のためのドネーショ ンとなるシステム。アーティスト⽀援と国内アートシーンの活性化を⽬的としたアートアワード WATOWA ART AWARD 2023 EXHIBITION に寄付されます。
【主催】WATOWA GALLERY      
イベントページ:http://www.watowa.jp/news/2023/05/back-to-nature.html  
Instagram:https://www.instagram.com/watowagallery/   
CONTACT:gallery@watowa.jp

アーティスト・トーク

開催に先駆け、 6/9(金) にアーティスト・トークを開催いたします。
<日時> 6/9(金) 17:00 ~ 17:30
<登壇者> アレハンドロ・ロペス、小松隆弘(WATOWA GALLERY) 、藤元明
※ゲスト登壇の可能性あり
※予約制。以下メールアドレスまでご連絡くださいませ
gallery@watowa.jp




May 22, 2023

"花はどこへ行った ?〜Where have all the flowers gone?" ミレイヒロキによる展示を6月5日より開催

MireyHIROKI_kv.pngのサムネイル画像この度、プロジェクト・プロダクション・コレクティブWATOWA GALLERYは、 芸術家・ミレイヒロキによる展示をWATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO にて2023年6月5日(月)から6月25日(日)まで開催いたします。

Statement


1993年よりアメリカの⻄海岸に残っていたヒッピーカルチャーを中心に、グラフ ィティ・ヒップホップカルチャーに影響を受けてグラフィティ集団KBHの唯一の 日本人として、クレヨン、アクリル、スプレー、油等の画材を使い"花"を描き始 める。
2007年、1995年ボストン在住時に構想した使い捨てビニール傘に花のペイント をして街で一⻫に開き街を花で埋め尽くす作品 「100UMBRELLAS」を渋谷スクランブル交差点でゲリラパフォーマンスを決行、 ビニール傘の使い捨て問題への問いと、"ハプニング"のアート活動を実験的に行 う。
以来、東京を中心に、京都、広島、福島、熊本など多数の街にその時に集まった ボランティアや、その場にいる人たちと、花を咲かすアートパフォーマンスを行 ってきた。
また東日本大震災の被災地、被災者の心のケアを花のペイントや、2015年から 2018年にかけて、広島原爆ドーム前での追悼パフォーマンス、インスタレーショ ンなど、日本が持つ戦争や震災といった破壊のあった歴史的場所で"花"を咲かせ ていくという活動がいつしかミレイヒロキのヒップホップ、ストリートのバック ボーンから来ている、立ち上がる精神、強く美しく生きてゆく姿勢とリンクして 人々に影響を与えているのではないだろうか?
"花"という一般的かつ普遍的なモチーフはプリミティブな人間のシンプルな思考 として、美しさ、儚さ、強さ、弱さなど、さまざまな感情に訴えかける。 ミレイヒロキは、"花"を媒介として、LAの貧富の差のあるカルチャーの中で、彼 らが生き抜いてきたアメリカでの仲間との時間や生きざま、ストリートから得てきた精神を共有しているのだろう。
"強く美しく生きる"
アーティストのクリストが世界のさまざまな場所を"梱包"するシリーズにあるように、本人もランドアートと言われることに疑問を持ち、そもそも何がアートなのか?芸術性とは?の議論のきっかけ自体を生み出している。
ミレイヒロキは国内で「花の傘」のインスタレーションは話題にはなったが、日本のアート業界からは"アート?アートではない?"と話されて いた。 2010年にクリストが来日した際、直接会いに行き"花の作品"を見せクリストと話をした。返って来た言葉はとてもシンプルで気持ちを後押しさ れたと語る。" You are ARTIST "
その事が今も花を描き続ける事へ少なからず影響を与えている。 その瞬間に開いた"花"はいったいどこへ行った? そもそも、その"花"とはなんだったのか?
ミレイヒロキは"花"が行きたいところについていったような感覚だ、と語るが、それは地域や社会、そこにいる人が"それ"を求めていたのかも しれない。シンプルな花の絵の奥に、何か物悲しくも、強い意志のような感覚を感じずにはいられない。写真では伝わらない、彼らの活動の軌跡を目の当たりにしていただきたい。


WATOWA GALLERY 代表 小松隆宏

ミレイヒロキよりメッセージ


今回の個展に向けて制作した100号8点からなる連作シリーズは「花と死には類似点がある」という言葉にインスピレーションを得て作 品を制作。 花が持つ生と死の関連性や生命力を表すことに着目し、自分たちの中にある花を描く衝動や動機を探求、生き続ける花と枯れていく花の 相対性を描いた。手法は90年代にLAやNYのアンダーグラウンドで活動していたグラフィティアーティストやミレイヒロキもメンバーで あるLAを拠点に活動するアーティスト集団KBHとの関わりの中で実際に体現したスプレーペインティングから引用。色のしぶきのコント ロールと体感を組み合わせることで、キャンバス上に強いタギング※要素を作り出しコロナやロシアのウクライナ進攻など、現代におけ る絶望的な状況の中でも自分たちの魂の衝動を制作にぶつける価値観を追及した。
生き続ける花と枯れていく花の相対性とは、花が生命力あふれる存在でありながら、同時に儚くて一瞬一瞬が貴重な存在であるというこ とを表している。花は色鮮やかで美しく、私たちに様々な感情や思い出をもたらすが、同時に枯れていく過程も見守ることができる。作 品では、生き続ける花と枯れていく花の対比として生命力溢れる力強い花を描いているが、徐々に枯れていく終わりの始まりを花びらか ら落ちていく色で表現している。
描く花は花瓶に飾られる花ではなく、大地に咲く花をイメージしてキャンバスの下から上へ大胆に描く。それは自然の美しさや生命力を 讃え、その力強さを表現したいという思いからです。
 ※タギング(tagging)とは街のあちこちに見られる個人や集団のマーク(目印)とされるものを描いて回る行為。

批評文


ミレイヒロキは2人の人間でありながら、1人の芸術家として活動してきた。その2人の人間は、それぞれ、あるいは共に、1980年代以降、 アメリカ各地を中心にして、(特殊)メイク、フィルム、ファッション、ストリート(ヒッピー)・カルチャーなどを領域域横断的に摂 取してきた。ミレイヒロキの芸術実践は、それゆえ、「二人それぞれが数人だったのだから、それだけでもう多数」(ジル・ドゥルーズ +フェリックス・ガタリ『千のプラトー──資本主義と分裂症』)であるような幅広さと奥行きが備わっている。ミレイヒロキは一貫して「花」をモチーフとして作品を制作し続けている。資金が底をついて唯一手元に残ったクレパスを使って、1枚 のわら半紙に2人で描いた花は、キャンバスの外へと出て、さらには美術館やギャラリーの外へと出た。公共空間を通じて国内外に広が ってきた花々は、作者の手を離れたあとでさえ、あたかも自律した生命体のように増殖を止めることはない。本展では、コロナ禍やウク ライナ侵攻などを経て、ミレイヒロキの花々が照らし出す現代の様相が示されるだろう。

文化研究者 山本 浩貴

Artist's profile


アーティスト写真(1).jpgミレイヒロキ
ミレイヒロキは2人の人間でありながら1人の芸術家として活動。 近年ではSHARE FLOWERSを立ち上げ「環境・心」などをテーマに作 品を制作。 これまでにミッキーマウス生誕75周年、90周年の為の絵画制作、イサム ノグチ「AKARI」とのコラボレーション。 2007年からは表参道ヒルズ・渋谷交差点・京都鴨川・赤坂サカス・大坂 梅田、 椿山荘庭園、広島旧日本銀行、広島原爆ドーム前など日本各地をキャン バスに大規模な作品を発表。 新聞、報道など社会面で数多く取り上げられる。ビニール傘の使い捨て 問題を国内に広げ報道写真展に記事が選出される。 2010年はNYのセントラルパークで開催された日米親善交流イベント 「JAPAN DAY」公式アーティストとして全てのビジュアルアートを担 当。 デザインしたT-シャツがチャリティー販売され4本の桜の木が親善の証 としてNY在総領事館よりセントラルパークに植樹される。 2011年以降は総合的なアートプロデュースを各地で展開する。 東日本大震災へのアート活動がNHK「花は咲く」でドキュメンタリー として国際放送含め放送される。 またNHK「美の壺」にも作品が取り上げられる。 被爆70年をむかえた2015年NHK広島を5~8月と総合演出。 2017年には年間を通して総合演出した作品が「DSA日本空間デザイン 銀賞獲得」 2019年10月環境フェスティバル福岡総合演出、12月東京都神代植物 公園にてインスタレーション作品設置。 2020年は環境庁のプロジェクトで各地へ視察、アートを通して新たな発 見、可能性を探る。 東日本大震災、熊本地震、水害被害などを受けた地域への継続的な活動 支援は現在も続けられている。 「アートの力」で全国に花を咲かせているアーティスト。
WebSite:https://www.share-flower.com/ Instagram:https://www.instagram.com/artist_mireyhiroki/

出展作品例

スクリーンショット 2023-05-22 19.36.31.png活動例
スクリーンショット 2023-05-22 19.36.36.png


開催概要


会 期:2023年6月5日(月)〜 6月25日(日)12:00 - 19:00 ※木曜定休
会 場:WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO(東京都台東区今戶1丁目2-10 3F)
入場料 :ドネーションチケット 500円(税込)〜
※6/7(水)、6/14(水)、6/21(水)は観覧無料
※自身で金額を決定するドネーションシステム(ミニマム 500 円から入場 料を自身で決定し、それが若手アーティスト支援のためのドネーションとなるシステム。
アーティスト支援と国内アートシーンの活性化を目的としたアートアワード WATOWA ART AWARD 2023 EXHIBITION に寄付されます。) ※観覧にはご予約が必要です
こちらのURLよりご予約をお願いいたします:https://artsticker.app/events/7394
イベントページ: http://www.watowa.jp/news/2023/05/-where-have-all-the-flowers-gone-65.html
Instagram:@watowagallery
CONTACT: gallery@watowa.jp


    




April 30, 2023

日本の伝統文化をアップデートする2人のアーティストが世界に発信する新たなムーブメント TRADMANʼS × sneakerwolf "SUPER TRAD"

【決定】supertrad_kv_003.jpgこの度、プロジェクト・プロダクション・コレクティブWATOWA GALLERYは、 TRADMANʼSとsneakerwolfによる展示【 TRADMANʼS × sneakerwolf "SUPER TRAD" 】をWATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO にて2023年5月14日(日)から5月28日(日)まで開催いたします。

MESSEGE


TRADMANʼS × sneakerwolf 日本のトラッドをアップデートし続け、世界のストリートカルチャーと融合 をさせる2人のコラボレーション。
今回は、新世代の盆栽team TRADMAN'S と江戶カルチャーとストリートを ミックスするアーティストsneakerwolf。 異なるジャンルのように見えて、 しっかりと日本の歴史の文脈としては重なり合う2人の展覧会だ。
江戶時代はとてもユニークな日本特有の街づくり、システム作り、カルチャ ーが根付いている。
その代表的な一つとして"盆栽"がある。 盆栽は唐の時代(平安時代あたり)か ら盆景なる中国から伝来された盆の上に作り出す景色の芸術として持ち込ま れ、日本における 植木ブームを経て、江戶時代に大衆化し分業化され盆栽と いう一つのジャンルとして大きく形成されたカルチャーである。 江戶に急成⻑した盆栽カルチャーを今を生ききている日本のスタイルとして伝統と革新を続けTRADMANʼS。
それと江戶を発祥とする図案文字"江戶文字"がある。400年続いた江戶時代 だからこそ根付いた、日本の商業文字であり、カワイイカルチャーの基礎と も言える。 江戶文字に代表する江戶時代のストリートカルチャーとして独自の研究から SD"Super Deformism"と名付けた芸術論を元に、日本オリジナルのグラフィティカルチャーとして位置付けた"Kanji-Graphy/カンジグラフィ"シリー ズなど、新たな日本のアイデンティティを表現するsneakerwolf。
この両者だからこそ生み出されるシン・東京ストリートスタイルは、国内外からのファンが多い。 これこそ、今の日本を象徴する"時代性""生き方""日本的ART性"の一つであり日本の歴史を踏襲する新しいスタイルの一つとなりつつある。 今回は、その2人のコラボレーション作品とインスタレーションを新しいカルチャーと して目撃し、愛でていただきたい。

WATOWA GALLERY 代表 小松 隆宏

十数年前にwolfさんの作品を初めて見た時、何か同じ匂いを感じた。

いつかこの人と表現したいと思った事は今でも鮮明に覚えている。

それから時が経ち今こうしてお互いが引き寄せ合い現代に必要な何かを〔SUPER TRAD〕として表現出来る事に喜びと感謝しかない。

同じ日本の伝統文化を守りながら何処か革新をつくスタイルは僕達にしか出せないカラーだと確信している。

皆さんにはシンプルにカッコいいアップデートされた日本の伝統を是非見て感じてもらいたい。

 

TRADMAN'S
小島 鉄平

鉄平くんと初めて会った日。僕のアートと鉄平くんの盆栽を一緒展示できたら面白いよねと話したくらい、最初から何か感じるものがあった。

それは単純に和だからということではなく、伝統を愛し、敬意を払いながら、現代に即したアップデートを進めていく心意気、姿勢が自分と似ていると感じたからだったように思う。

今回の[SUPER TRAD]展は、そんな僕と鉄平くんでなければできなかった、まだ誰もやってない、見たことがない伝統。まさに[SUPER TRAD]といえる展示になった。

本展の開催が新たな同志に広がり[SUPER TRAD]という新しいムーブメントとして、世界に発信していく始まりになればと思っている。

 

sneakerwolf

Detail


【タイトル】TRADMAN'S × sneakerwolf "SUPER TRAD"
【会期】 -前半- 5/14(日) ~ 5/21(日) -後半- 5/22(月) ~ 5/28(日) ※両会期共に木曜定休

【営業時間】12:00~19:00

【会場】WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO(東京都台東区今戸1丁目2-10 3F)

【観覧料】ドネーションチケット 500円(税込)〜

*5/17 ( 水 )、5/24 ( 水 ) は観覧無料

*右記 URL からの事前予約制:https://artsticker.app/events/6243

*⾃⾝で⾦額を決定するドネーションシステム(ミニマム 500 円から⼊場料を⾃⾝で決定し、それが若⼿ アーティスト⽀援のためのドネーショ ンとなるシステム。アーティスト⽀援と国内アートシーンの活性化を⽬的としたアートアワード WATOWA ART AWARD 2023 EXHIBITION に寄付されます。

イベントページ: http://www.watowa.jp/news/2023/04/sw-tr-wtw.html


HP:http://watowagallery.com

Instagram:@watowagallery

CONTACT: gallery@watowa.jp

Artists


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TRADMANʼS / 小島 鉄平(Teppei Kojima)

 

千葉県柏市松葉町にて幼少期を過ごし柏市立松葉中学校を卒業。音楽、ファ ッション、タトゥーなどストリートカルチャーの虜となった学生時代を経て、 バイヤーとしてアパレル業界にて活躍。海外へ買付けに行く内に、日本文化 の素晴らしさに改めて気づき、『盆栽』の歴史の深さや美しさに魅了される。 『日本の伝統文化である盆栽を世界へ伝えたい』と一念発起し、2015年 TRADMAN'S BONSAIを結成。(2016年(株)松葉屋を設立)唯一無二の世界観 で『盆栽』のある空間を演出し「shu uemura」「NIKE」「Dior」 「RIMOWA」など様々なブランドやアーティストと共演。『伝統とは革新の 連続』を胸に、日本の格好良さを盆栽を通して、老若男女、そして世界へと 発信している。

WebSite: https://tradmans.jp

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sneakerwolf

東京を拠点に活動するアーティストSNEAKERWOLF。

17世紀の江戸時代を発祥とする、提灯、火消し半纏や祭り、仕事半纏、千社札などに見られる、書をディフォルメすることで生まれた伝統的な図案文字 "江戸文字"。

これらの西洋からの影響を受けていない江戸庶民の美的感覚によって構築された、これら文字文化の芸術的価値を、世界で最初となる日本オリジナルのグラフィティ(ストリート)アートとして位置付け、アルファベットを漢字のパーツとして構築したオリジナルの江戸文字を、グラフィティアートやポップアートなどのテクスチャーを用い表現した唯一無二の<Kanji-Graphy/カンジグラフィ)シリーズ作品で人気を獲得しました。

近年では、江戸文字の構造を、 現代のアニメカルチャーにおけるスーパーディフォルメと関連付け、 "Super Deformism" スーパーディフォニスム と名付けた芸術理論を元に、 ワード作品の他、ブラシストロークなどの抽象作品、キャラクターなどの具象作品にその理論を拡張しています。

そして、SNEAKERWOLFはIconoclasm (偶像破壊、因習打破)、 固定概念や先入観の破壊、解体という一貫したテーマを元に活動を行っています。

 

2017年PORTER Gallery(表参道)でのアーティストとしての初個展以来、回数を重ねるごとに評価を高め、2019年モスクワで行われた国際的なミューラルアートフェスティバル <URBAN MORPHOGENESIS>に日本人として唯一選出されるなど、世界からも支持されています。

 

Homepage: http://www.sneakerwolf.com

Instagram: https://www.instagram.com/sneakerwolf/


WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO とは


WATOWA GALLERYは、現代日本のストリートカルチャーやファッション、独創的・先進的なテクノロジーや「ジャパニーズ・フィロソフィー」を取り入れた新しい感性を持つ若手の作家を中心として、アート・コミュニケーションの場を提供するアートプロジェクト/プロデュース集団です。アートが ファッションのように親しみやすいカルチャーとなり、ひとりひとりのライフスタイルに溶け込む社会を拓くため、新しい感覚のエキシビションや、ア ートプロジェクトのプロデュース・演出を行い、アートに触れるタッチポイントを拡大します。

現在も国内外で評価されている主要なアートムーブメントの多くは、ミュージアムの外で、そして多様なジャンルのアーティストと支援者との交流によって生まれています。わたしたちは特定のアートスペースを持たず、あらゆる空間をギャラリーと捉え、アートをミュージアムからコミュニティへ、都市へ、住空間へ開放し、ミュージアムの外からさまざまな分野のプロフェッショナルと横断的なアートプロジェクトを発信していきます。さらに、日本の若手アーティストの活躍と日本の若手コレクターの参入をサポートし、アーティストと支援者の交流を促進します。

WATOWA GALLERYを媒介とした新しいコミュニケーションやコミュニティの育成によって、次の時代のアートシーンを創造し、市場の活性化を目指します。2019年より特定の場所を持たないプロデュース集団としての活動をしておりましたが、2022年9月より、初のWATOWA GALLERYの本拠地となる WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO を浅草・今戸にローンチ。

 




March 13, 2023

Ryusukue Sano solo exhibition 【ZOOOOOOOOM/BRUSH WORK】/ 【ZOOOOOOOOOM/蓄積する色彩】 開催

2023.03RyusukeSano_KV.jpgのサムネイル画像

この度、プロジェクト・プロダクション・コレクティブWATOWA GALLERYは、 画家・佐野凜由輔による展示【ZOOOOOOOOM/BRUSH WORK】をWATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO にて2023年4月2日(日)から4月16日(日)まで、【ZOOOOOOOOOM/蓄積する色 彩】をelephant STUDIOにて4月9日(日)から4月23日(日)まで開催いたします。

Profile


アーティスト写真.jpgPhoto by Genki Arata

佐野凜由輔 Ryusuke Sano


幼少期はカートゥーン、アニメーション、漫画などに没入し、10代後半でアートに関心を持つ。2016年に文化服装学院を卒業後、画家を志しNYへ渡米。様々なエキシビションやトレードショーへの参加を経て、2018年に初の個展を開催。以後、美術史や私的な記憶に基づくイメージを手繰り、自身の日々積み重なる経験を"ZOOM"と題したコンセプトで精力的に作品を発表している。エンターテインメントやファッションとのコラボ、広告に至るまで幅広く活動中。


Site ryusukesano.com
Instagram @ryusukesano
Twitter @yulustreet

Concept


"ZOOM"とは
 画家、佐野凜由輔が柔軟に作品制作を行えるよう自身で確立したコンセプト、あるいはテーマです。その概念は、佐野作品を読み解く上でとても重要になります。彼の経験や記憶、脳裏に蓄積されてきたアーカイブを素地にして、キャンバスへ放出している挙動、それを指し示しています。本人が言うには、現在の情報過多の環境において「積み上げられた多くの事柄を、自分地点から解釈し直す」ことだと。コンテンポラリーアートを通した視覚的実験とも言えるかもしれません。

 モチーフをスクラップ・アンド・ビルドしながら描き上げる、正統な構図、基軸や中心をあえて欠いた作風は、鑑賞者の感情や想像力、そして、認識さえ動揺させます。規則性のない表現方法にはフィギュラティブとアブストラクト、ドローイングとペインティングが共存しており、時に色彩の層を重ね、時に主題の具象をバラし、時に抽象をも白に消し去り......レイヤーを成すことで、観る者個々の視点、捉え方によって作品が幾層にも変化しながらも、多角的に理解可能な要素として配置されています。

 美術を独学した佐野は特定の様式や手法に偏らず、調和・均衡を崩して、仕上げにシリアスな緊張感を与えます。大胆な彩色がインパクトを担っていますが、一方でトーンを落とした色味との両方を使い、鮮やかな空間に余白を譲ることもあります。それは、各素材の自立性を際立たせ、維持させつつ、包括的なまとまりをもたらせたいためです。

 目で見る以上にイメージは重層的。様々に考察できます。観者へ概観するだけでなく、ディテールを飽かず見入らせ、そして、押し迫り、引き込む。"ZOOM"はそういった実感を持って対峙したいコンテンポラリーアートシリーズです。

Statement


【ZOOOOOOOOM/BRUSH WORK】
 佐野凜由輔作品の持つ"スクラップ・アンド・ビルドな構図"の解釈が、新たな開放へ。
それは、決してこれまで描いてきたコンポジションが喪失した訳ではなく、より確かな成熟へと向かっていることを意味します。

 ビーチでくつろぐ男たちや積み上げられたテディベア、さらには生い茂った草木が続く庭......
そんな日常として存在しうる"風景"を、モチーフとしベースに落とし込んだ構図は、近年の作品に見る変化の中でも特に注目をしてほしいエレメントです。言わば、インパクトのあるレイアウトに力強いストロークが目立っていた従来の作品に対し、どこか感情へ入り込む巧緻な側面を持ち合わせた、情景的なフィクションへの昇華。

 一様ではないテーマを扱う中、アウトプットの技法を熟考しトライし続けることが成果となり、通覧すると特徴は多種多様。再び、ディテールにおいての精妙さを見つめなおせば、ドローイングやストロークなど幅広い手法からなる大胆さと表情の豊かさは変わらずも、より細やかな一つひとつの筆致を追求して、繊細さを所々方々へアプローチすることで、幾ばくにも拡大し縮小する"ZOOM"の奥行と本質が磨き上げられました。

 ゆえに、これまで通りの強烈に重なりあう色彩を帯びた無数の象形の蓄積が、相乗的な深みとなり思考を刺激し、原作品どれをとっても其の折でのマスターピースと誇れるものとなりました。

【ZOOOOOOOOOM/蓄積する色彩】

これまでの" スクラップ・アンド・ビルド "な構図から、ノイズを削ぎ落とすかのように執着した色彩。その『蓄積する色彩』は、佐野凜由輔が個性とする「鑑賞者と作品とのパースペクティブに生まれるマクロとミクロの作用し合う "ZOOM" 」を表す上で、切実でピュアな動力性に繋がる新たな要素となりました。

今回の創作は、常にモチーフ、テクスチャーが一分一秒と流動的に姿を変え、時間の不可逆性すら過去⇆現在を行き来できる可逆性に。ひとつのストロークやドリッピング、スプレーイングにおいても確信的な偶発として形成し、キャンバスへ次々とレイヤリングし、グラデーションを丁寧に仕上げることにより、抽象と具象が互いの色相を引き立てます。

そうして自身のオリジナルに幾ばくも立ち返り、それぞれの手法や技法と対峙することによって、本質の雄弁な表現力は揺るぎなく、そして、観る者の情操へ働きかける原作品を完遂させました。

主催者より


佐野 凛由輔との出会いは2019年。
インスタグラムから熱烈なオファーから、表参道のファッション・セレクトショップでの展示を見に行った。
その時の、彼の熱量と作品の荒々しくも、素朴さと、軽快さを覚えてコレクションしたところから始まる。

その時から彼の制作コンセプトは"ZOOM"だった。
それは、彼が人生の中で感じる様々な感情や生きている中の風景、時代、がファッションのように時には早く、目まぐるしく変わっていく。
深く、浅く、遠く、近く、人のコミュニティや、人が見る風景や世界は、ZOOM in やZOOM outを繰り返しながら変化している。
彼はそれを客観的、主観的の視点を、繰り返しながら1枚のキャンバスに入れ込んでいく。

その時々の彼自身の身を置いているカルチャーの中で表現されていくアートピースたちは、1枚でZOOM in -outが多様にあるものもあれば、いくつかを並べて空間の中でのZOOMを体験できるような作品群もある。

2020年のWATOWA GALLERYでの初の個展の際、空間の中で平面作品をどう見せるのか?を私は考えてきたが、

今回、佐野凛由輔とのmtgやスタジオビジットした結果、空間全体でのZOOMの思考を体験できるか?
あるいは、展示する場所エリアによって、表現の違い、または、受け取る側の共感の違いは生まれるのか?その違いこそ、ZOOMで表現したい多様な社会の営みではないのか?
彼のアートの持つ、思考の一つのチャレンジが、今回実現することになった。

そして、彼の表現のアップデートや、
彼の目線は、この時代、この世代における社会やコミュニティを感覚的に表現しているように感じる。

きっと、そんな時代性と感覚のリンクがKing Gnuという日本の現・時代を表現し、熱狂を生んでいるロックバンドとの共作やアートワークを手掛ける事につながっているのだろう。

彼のZOOMは今回で 7回目"ZOOOOOOOOM" と 8回目"ZOOOOOOOOOM" 2会場同時開催をすることになった。
展覧会のたびに増殖し続ける「 O 」は彼の移りゆく世界観をある意味表現する言葉として、コンセプトも徐々にアップデートされていくことが伺える。

昨年の10月に香港で開催した個展を期に、多様なエキシビジョンを目指す方向になってきている。
本年度、大型の野外展示・インスタレーションも視野に入れている中、
今回の展示では、東京という都市の中での多様性をエキシビジョンの場所を変えることで共感は変わるのか?どう共感するのか?の実験として、2会場を選択した。
浅草では、新しい新境地長野に制作場を移し出してから垣間見える視点の変化と、大型の作品と小さな作品で リアルなZOOM in outを体感してもらえるような展示。作品群としてもここ最近の制作場を長野県に移したことにより、生活を意識したり、過去やWEBから引っ張って来る画像をランダムに選び取った作品群が並ぶ。
都会で制作していたときの人の群れや、FACEシリーズのような大量の顔を中心とした作品郡とはまた変化している。

そして、渋谷では、FACEやANIMALなどのモチーフを中心に、都会の感覚と、それらをアップデートした作品たちとなる。

今回、展示期間を重ねるようにした意図は、浅草・渋谷、大きな空間・小さな空間、新しい視点・ずっと持っている視点、このような、場所によっても異なる"ZOOM"を体験していただきたい。

WATOWA GALLERY 代表 小松 隆宏



Detail


〈浅草〉
タイトル: Ryusuke Sano solo exhibition【ZOOOOOOOOM/BRUSH WORK】

会期:2023年4月2日(日)〜4月16日(日) 12:00-19:00

会場: WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO(東京都台東区今戸1丁目2-10 3F)

入場(ドネーションチケット) : 500円(税込)〜
*4/5 ( 水 )、4/12 ( 水 ) は観覧無料
*右記 URL からの事前予約制 https://artsticker.app/events/4655
*⾃⾝で⾦額を決定するドネーションシステム(ミニマム 500 円から⼊場 料を⾃⾝で決定し、それが若⼿ アーティスト⽀援のためのドネーショ ンとなるシステム。アーティスト⽀援と国内アートシーンの活性化を⽬的としたアートアワード WATOWA ART AWARD 2023 EXHIBITION に寄付されます。

イベントページ:http://www.watowa.jp/news/2023/03/Ryusuke-Sano-Exhibition.html

〈渋谷〉
タイトル: Ryusuke Sano solo exhibition【ZOOOOOOOOOM/蓄積する色彩】

会期:2023年4月9日(日)〜4月23日(日) 12:00-19:00

会場:elephant STUDIO(東京都渋谷区渋谷2-7-4 1-2F)


入場(ドネーションチケット) : 500円(税込)〜
*4/12 ( 水 )、4/19 ( 水 ) は観覧無料
*右記 URL からの事前予約制 https://artsticker.app/events/4656
*⾃⾝で⾦額を決定するドネーションシステム(ミニマム 500 円から⼊場 料を⾃⾝で決定し、それが若⼿ アーティスト⽀援のためのドネーショ ンとなるシステム。アーティスト⽀援と国内アートシーンの活性化を⽬的としたアートアワード WATOWA ART AWARD 2023 EXHIBITION に寄付されます。

イベントページ:http://www.watowa.jp/news/2023/03/Ryusuke-Sano-Exhibition.html









February 27, 2023

Depths of Dreams ー 夢·時間·記憶 開催

KV_Depths of Dreams -- 夢·時間·記憶.png


MESSAGE


あなたの夢は私の夢。

夢·時間·記憶を切り口とした作家5名をキュレーション。

この度、「Depths of Dreams ー 夢·時間·記憶」展がWATOWA GALLERY / THE BOX TOKYOにて3月12日より開催いたします。

夢は古代は神などの超自然的な存在からのお告げと考えられたり、心理学の世界では潜在意識や抑圧された感情が夢となって現れるとも言われています。時間と空間がいくつも折り重なって浮かび上がる夢の舞台では、人々の過去や未来、現実と妄想、意識と潜在意識、様々な要素が複雑に混ざりあい作りあげられた物語が繰り広げられます。私達にとって夢とはどのようなものでしょうか?

本展覧会は、5名の作家による絵画、写真、インスタレーション、ビデオで構成され、夢·時間·記憶をめぐるイメージの具象化を提示します。これらの作品を通じて、現代を生きる私たちが持っている、さながら夢のような時間の主観性や客観性は何かを問うと同時に、私たちは、夢であれ、日常生活であれ、自己や他者であれ、何を体験·記憶するのかだけではなく、いかに時空を越えて生きているのかという問いを投げかけます。

WATOWA GALLERY/THE BOX TOKYOのスペースが全体的に没入型·シェア型の体験空間を創出され、人々の夢で生まれたランドスケープ、時間の経過が物質世界に残した痕跡、過去または未来の記憶の風景を示します。

すべての未来はこれから起こる過去です。私たちは夢の中の人であり、夢を見ている人でもあるかもしれません。

本展覧会は、WATOWA GALLERY/THE BOX TOKYOによって夢の奥に入り込む空間を生み出し、夢の実在のイメージや、夢の素材でもある現在人々の私的·集団的記憶を具体的に表現し、共有します。

WATOWA GALLERY 代表 小松 隆宏

 


DETAIL


タイトル: Depths of Dreams ー 夢·時間·記憶


会期

VIP:2023年3月11日(土)15:00-21:00

GENERAL: 2022年3月12日(日)〜3月26日(日) 12:00-19:00


会場: WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO

東京都台東区今戸1丁目2-10 3F


入場(ドネーションチケット) : 500円(税込)〜


*3/15 ( 水 )、3/22 ( 水 ) は観覧無料

*右記 URL からの事前予約制 https://artsticker.app/events/3402
*⾃⾝で⾦額を決定するドネーションシステム(ミニマム 500 円から⼊場 料を⾃⾝で決定し、それが若⼿ アーティスト⽀援のためのドネーショ ンとなるシステム。アーティスト⽀援と国内アートシーンの活性化を⽬的としたアートアワード WATOWA ART AWARD 2023 EXHIBITION に寄付されます。



イベントページ:http://www.watowa.jp/news/2023/02/depth-of.html
HP:https://watowagallery.com

Instagram:@watowagallery

CONTACT: gallery@watowa.jp



出展作家

因幡 都頼 Torai Inaba
Torai Inaba-Portrait.png1988年北海道生まれ。2012年、武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業。
近年主な個展に、「目他-ユニバース」(watowagallery/elephant STUDIO, 2022)、「レスポワール展」 (スルガ台画廊, 2020)、「12」(画廊くにまつ青山, 2019)、「因幡都頼個展 -無声-」(コートギャラリー国立, 2017)、「ここにない堤防」(コートギャラリー国立, 2016)など。公募展に、2022年「第25回岡本太郎現代芸術賞」展、入選(川崎市岡本太郎美術館)、2021年「第8回 トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞」展、優秀賞(豊橋市美術博物館)、2017年「第20回 岡本太郎現代芸術賞」展、入選(川崎市岡本太郎美術館)など。
HP:https://inabatorai.com
IG:@
toraiinaba

今坂 庸二朗 Yojiro Imasaka
Yojiro Imasaka-Portrait.jpeg

今坂庸二朗1983年広島県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、2007年に渡米。NYのプラットインスティテュートでMFAを取得し、現在NYのブルックリンを拠点に活動。これまでにミネアポリス美術館、東京都美術館、パリフォト、ニュージャージーシティ大学ギャラリー、NYのアートプロジェクト・インターナショナル、パリフォト等での個展やグループ展で作品を展示。作品は、サンノゼ美術館、ミネアポリス美術館、ミード美術館/アマースト大学、カーネギー美術館、ニューオリンズ美術館、また複数のプライベートコレクションに収蔵されている。出版物には、賞を受賞しフェニックス美術館で展示された「U.S.A -Untitled Scapes of America-」(2014)、「Trade Winds」(2018)などがある。最近では、2022年に自身初となるパリでの個展を開催。
HP:
https://yojiroimasaka.com
IG: @yojiroimasaka

上田 尚宏 Takahiro Ueda
スクリーンショット 2023-02-27 12.05.48.jpg(Photo by Shingo Kanagawa)

2010年、東京藝術大学先端芸術表現修了。2011年より文化庁新進芸術家海外研修制度、吉野石膏美術振興財団、DAAD(ドイツ学術交流会)からの助成を受け渡独。2019年に帰国後は東京を拠点に活動している。

主な展覧会に、The Still Point -まわる世界の静止点(kudan house, 東京, 2021)、SCAI 30th Anniversary Exhibition 「アースライト―SFによる抽象の試み」(駒込倉庫, 東京, 2019)、Temporal Measures(white rainbow, ロンドン, 2014)、Land Politics (Valletta Contemporary, マルタ, 2019)、Betwixt and Between(Galerie Tore Suessbier, ベルリン, 2013)、第14回岡本太郎現代芸術賞(川崎市岡本太郎美術館, 神奈川, 2011)など。
HP:https://takahiroueda.com
IG: @ tkhrd__

榎本 マリコ Mariko Enomoto
Mariko Enomoto アーティスト写真.jpg.jpg
1982年生まれ、東京都在住。 日本画家であった曽祖父の影響もあり、幼い頃から自然と絵のある環境で育つ。 ファッションを学んだのち独学で絵を描き始める。 個展やグループ展で、植物や動物などに顔を覆われた人物のアクリル画を中心に発表する 他、近年では書籍の装画、演劇のビジュアル、CDジャケットなど様々なジャンルのアー トワークを担当し、チョ・ナムジュの小説『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)、 川上未映子の連載小説「黄色い家」(読売新聞)の挿絵などを手がけている。

HP:http://www.mrkenmt.com/
IG:@mrkenmt_tmk

楊 建華 YANG Jianhua
YANG Jianhua-Portrait.jpg1995 年中国深圳生まれ。2017 年広州美術学院視覚デザイン学部アニメーション学科 卒業。2021 年東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。アニメーション作家として世界中に活躍している。2Dアニメーター、3DCG、ストップモーションなど様々なジャンルのアニメーションを制作し、デジタルハリウッド大学で講師を担当している。

 





 

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